2010年2月20日土曜日

漫画のためのデジタルフォント

漫画に使うフォントについて2010年2月現在での簡単なコメントです。ひとり城南で写植を貼る: 漫画に使われる書体の項も参考にして下さい。

  • 商業印刷するのであれば、OTF(Open Type Font)を使用する。
  • 自宅プリントの場合、もしくは印刷所が対応している場合はTrue Typeでも可。
  • 電子書籍では完全にアウトラインにしたりラスター化するのであれば、なんでも可。そうでない場合は今のところ不明。
  • 書体については基本のネームはアンチック+太ゴチック(以下アンチG)とする。

ということで、以下にもう少し詳しく記します。

■True Typeの場合

アウトライン化したものであれば、アンチックはコミックスタジオに付属するTrue TypeのGAとかPGAとか使えると思います。現在のライセンスは確認してませんが。

その他の書体は基本DynaFontを使うことになるでしょう。ただ、DynaFontは印刷用には使えますが、Web上での処理も禁止しているので電子書籍には使えそうにありません。電子書籍に使うとなると、現実問題としてOTFを使わざるを得ないのではないでしょうか。

■OTFの場合

現時点で漫画用に使えるOTFはモリサワとフォントワークスです。どちらも年間契約で全書体を使えるライセンスを販売しているので、これを使うのが一般的です。モリサワの場合ばら売りもしているので、限られた書体だけを何年も使い続けるのであればこちらの方が安くなることもありますが、OTFになる前にもフォントのフォーマットが変遷していることを考えると、年間契約の方が結局安く済むと思われます。

モリサワパスポートは年52,500円(2010年2月20日現在amazonでは48,360円)で、印刷物だけではなく映像ゲームでも自由に使えます。印刷にも使う、電子出版に使う、というのならこれが一番いいでしょう。

フォントワークス LETSは3年契約だと年25,200円(別途入会費が必要)とモリサワの半額ですが、これは印刷物だけの契約。電子出版に使うには同額のゲーム業界向けLETSを契約すル必要があると思われます(未確認)。電子出版のみなら半額ですみますが、両方契約するとモリサワと変わらなくなります。

書体自体の品質はモリサワのほうが上だと思いますが、漫画に使うことだけで考えると、アンチG以外に淡古印ぽい書体やイナクズレっぽい書体の使えるフォントワークスの方が使いでがあると思います。

ちなみに両ライセンスでアンチックがサポートされたのもここ数年ですし、先ほどフォントワークスの利点としてあげた2書体にしても一昨年の暮れにリリースされた、つまり1年強しか経ってない代物です。今後どんどん状況は変わっていくと言うことを前提にしておいてください。

■各書体の目安


写研 モリサワ フォントワークス コミックスタジオ+ダイナフォント
ネーム アンチG アンチック+太ゴチック アンチックセザンヌ-DB ComicStudio-PGA
モノローグ ナールD じゅん34 スーラ-DB DF中太丸ゴシック体
モノローグ
(フキダシ内)
太明朝(or ナールD) リュウミンB-KL マティス-DB DF平成明朝体W7
ナレーション ゴナD(or 中ゴチック) 新ゴDB ニューロダン-DB DF平成角ゴチック体W5
怒鳴り1 ゴナE 新ゴH ニューロダン-EB DF平成角ゴチック体W9
怒鳴り2 大蘭明朝 リュウミンU-KL マティス-EB DF極太明朝体
怒鳴り3 イナブラシ      
電話・テレビ タイポス系+太明朝(or 太ゴチック) フォークB キアロ-B or スキップ-B ComicStudio-GT
おどろ1 淡古印
万葉古印ラージ DF康印体
おどろ2 イナクズレ   コミックミステリ  


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